人生、我慢比べ

記録も出ず、選手にも選ばれなくても厳しい練習は続く。心が折れず腐らず努力していれば光明は見えてくる。

 

タレントの森脇健児さんは、洛南高校京都市)で陸上部に所属していたそうだが当時の陸上部顧問だった中島道雄先生の思い出を「私の先生」という中で次のように語っている。

 

あるレースで選手がハードルを引っ掛け、そのまま棄権してしまいました。むちゃくちゃ怒られていましたね。最後までしっかり走れって。「本当にやりたくてできない人がいる。そんな人のことを考えれば、苦しいとか、つらいとか中途半端はぜいたくなことや」と。

 

当時はようやく全国大会の常連になったようなころ。先生も30過ぎで脂がのり、100人からの部員を一人で見ていたという。現在は100メートル走9秒台を出した桐生祥秀選手の活躍が注目されているのは周知のとおりである。

 

  • 一番目指すより、一流目指せ
  • 努力するもの、夢語る
  • さぼる人間、ぐち語る
  • 良いときに悪い時思い出し
  • 悪い時に良い時思い出す

 

 

顔のなぞ

なるほどなぁ~と感心して読んだ記事がある。

当時東京大学で教授をしていた原島博先生が書いた「顔のナゾ」という記事で平成13年4月29日(日)付の日本経済新聞に掲載されたものである。

顔のナゾ

~13か条でいい顔になろう~

だれもが、いい顔になりたいと願っている。どうすればなれるのか。そもそも、いい顔とはどんな顔なのか。

例えば運転免許証の写真の顔、自分で気に入っている人はほとんどいない。駅構内の三分間写真も同じである。それに対して、一流のカメラマンが撮った写真はいい顔になっている。一体どこに違いがあるのか。

三分間写真では、狭い空間の中で目の前にあるのは金属製の無機的なカメラだけ。そこで撮れるのは、非人間的な機械に向かっている顔である。一方、一流のカメラマンは、シャッターを押しながら絶えずモデルに話しかけている。その結果撮れるのは、機械ではなく人を見ている顔、そしてコミュニケーションしている顔である。

コミュニケーションしている顔、これがいい顔の第一条件である。写真を撮るときは、ただカメラに向かうのではなく、あなたの好きな人(恋人でもお孫さんでもいい)の顔を思い浮かべて、話しかけるような気持になるといい。そうすれば、いい顔に撮れる。そして、いい顔になるためには、自分の顔を好きになることが大切である。自分で自分の顔を好きになれなければ、とても他人は好きになってくれない。

私たちはコンプレックスをなるべく隠そうとしがちであるが、むしろ、それをプラスに考えた方がよい。人と違う顔の特徴は、自分のチャームポイントでもあるのである。

コンプレックスを意識的に隠そうとすると、逆に相手はそれを気にする。例えば歯並びの悪さを気にして口を開けるときに必ず手で隠すと、その不自然な動作が相手の視線をそこに集中させる。コンプレックスは自分が気にしなければ相手もそれに気づかない。

人間の顔は、その人の気の持ち方次第でかなり変わりうる。例えば、意識して顔の筋肉を動かすことで、表情を豊かにできる。そして、豊かな表情は「いい顔」を作る。さらに、いい顔をしている人との付き合いを多くすれば、自然にいい顔になる。いい顔は人から人へ伝わっていくからである。

いい顔は、まず自分が発信源となることが大切である。

 顔訓13か条

  1. 自分の顔を好きになろう
  2. 顔は見られることによって美しくなる
  3. 顔はほめられることによって美しくなる
  4. 人と違う顔の特徴は、自分の個性(チャームポイント)と思おう
  5. コンプレックスは自分が気にしなければ、他人も気づかない
  6. 眉間にシワを寄せると、胃にもシワができる
  7. 目と目の間を広げよう。そうすれば人生の視界も広がる
  8. 口と歯をきれいにして、心おきなく笑おう
  9. 左右対称の表情作りを心がけよう
  10. 美しいシワと美しいハゲを人生の誇りとしよう
  11. 人生の三分の一は眠り。寝る前にいい顔をしよう
  12. 楽しい顔をしていると、心も楽しくなる。人生も楽しくなる
  13. いい顔、悪い顔は人から人へ伝わる

「叱ると」「怒る」はまったく別物

生徒を指導することが仕事の教師にとって「叱る」行為は避けて通ることはできない。しかし、今の時代、親からも怒られたり、叱られたりすることが少ない生徒にとっては、やみくもに「叱る」だけでは生徒の心を動かすことはできない。

生徒のやる気を削ぐことなく、行動の改善を促す「叱り方のマナー」が必要になってくる。

昔の鬼上司のようなノリで、若者を怒鳴ったり、命令したりするやり方は通用しなくなっている。そもそもたとえ相手が若者だろうと、こうした態度はマナー違反。一時的に若者を従わせることができても、気持ちはどんどん離れていく。生徒も同じ。

叱られたことがない若者が多いと言ったが、親以外の誰かに真剣に諭されたり、叱られたりした経験が少ないだけで、わかりやすく語りかけてあげることで、心を動かし、すぐに行動を改める素直さを持っている若者(生徒)もいるはずだ。こうした世代には、マナーに従った叱り方が最も功を奏すと考えられる。

  • 〈褒める+叱る+励ます〉で教師も生徒や部下を叱りやすくなる

生徒の気持ちを傷つけず、行動だけを改善させる叱り方は「ハンバーガー話法」が効果的である。

いきなり「〇〇さん、こんな問題も解けないのか。ダメだよ、これじゃ」と叱って本題に入ると生徒によっては委縮してしまうこともある。そのくらい気の弱い生徒が多い。

ハンバーガー話法」は〈褒める+叱る+励ます〉の3ステップを踏むことで生徒を励ましつつ、間違った行動を指摘して改めさせる叱り方のテクニックである。

先の例では「解答への着眼点はよい。でも、ここの計算が間違っているよね。〇〇さんらしくない。しっかり頼むよ!」と、伝えたいことの前後に「褒める」と「励ます」をプラスする。

少々面倒かもしれないが、生徒の性格を見極めるのも教師の力量。特にセンシティブ(傷つきやすい)な生徒にたいしては、言い方を変えて予防策を講ずることも重要である。また、自分も部下に注文を出しやすくなり、仕事がしやすくなるという効果がある。

生徒を注意するときは、くれぐれも「怒る」と「叱る」をはき違えないことが大切である。

人間関係のマナーで言えば、感情に任せて相手に怒りをぶつけるのは礼を欠くことになるし、後々、親からのクレームが生じる。

「叱る」とは、相手の行動の悪い点を淡々と指摘して、反省を促すことである。名医や名先生と呼ばれる人ほど、叱るときは温和でにこやか。そういう人物に、人は従いたくなるのではないだろうか。命にかかわるような場合などは厳しい顔の表情できつく叱ることも必要になる。

叱る行為も一歩間違うと、パワーハラスメントになりかねない。全国の労働局に寄せられた相談のうち「いじめ・嫌がらせ(パワハラ)」は常にトップの座を占めている。この多さはただ事ではない。誰もが一歩間違えれば、パワハラと認定される可能性があると心得ておくべきだ。パワハラにならない叱り方は次の4点に気を付けたい。

  1. 怒鳴ったり、モノをたたいたりしない。(電話の子機や書類を投げつけたりなど論外)
  2. 相手の人格や性格には深く入り込まない。
  3. 人によってはみんなの目の前叱らず、少し離れた場所で叱る。
  4. 叱る理由を簡潔に説明する。
  5. 一度にたくさんのことを叱らない。

叱るのは相手の間違った行動であって、それが人格批判や鬱憤晴らしに発展してはいけない。「叱る」目的は、生徒や部下を伸ばすためにある。そのことを心得て、常に冷静な態度で臨む必要がある。

  • 生徒指導の柱

認める・褒める・励ます・信頼する

認めることで自分自身を好きになる。生徒の存在を認めてあげる。

  • 指導・援助の5ポイント

  1. やってみせ→師弟同行、率先垂範
  2. 言って聞かせて→知恵の伝達
  3. させてみて→具体的な経験
  4. ほめて励まし→賞揚・認知できる意欲
  5. 静かに諭す→感情で叱らず、教え諭す
  • 言葉

言葉遣いは、その人間関係を円滑に保つための最も日常的な、最も重要な手段である。的確に言葉遣いを心がけてこそ、社会人として十分に適用する教師になれる。相手を尊重するという視点で相手と接する気持ちを忘れてはならない。

教師の発言

  1. 発問
  2. 否定
  3. 叱責
  4. 賞賛
  5. 承認
  6. 説明
  7. 応答
  8. 助言
  9. 命令
  10. 指示
  11. 指名

1つの言葉でけんかして

1つの言葉で仲直り

1つの言葉でおじぎして

1つの言葉で泣かされた

1つの言葉はそれぞれに

1つの言葉を持っている

リーダーの対比

ボスとリーダー

地位だけのボスになること

  1. ボスは部下に強引に仕事をさせる
  2. ボスは権威に頼る
  3. ボスは恐怖をあおる
  4. ボスは言う「私はね」
  5. ボスは不始末に対する叱責で対処する
  6. ボスは仕事の仕方を知っている
  7. ボスは言う。「仕事にかかれ」

 

リーダーという人間になること

  1. リーダーは部下に仕事ができるように指導する
  2. リーダーはお互いの共感を頼りにする
  3. リーダーは情熱をあおる
  4. リーダーは言う。「私たちはね」
  5. リーダーは不始末そのものに対処する
  6. リーダーは仕事の仕方を自ら示す
  7. リーダーは言う。「さあ仕事をしよう!」

 

リーダーの対比

独裁的リーダー

ボスは、

  • 声が鋭い
  • 命令
  • 圧力
  • 協働を要求する
  • あなたがどうすべきか伝える
  • 考えを押し付ける
  • 支配
  • 批判
  • 間違い探し
  • 罰する
  • 私があなたに告げる
  • 私が決めて、あなたが従う
  • ボスの単独責任

 

民主的リーダー

リーダーは、

  • 声に親しみがある
  • 勧誘
  • 信望
  • 鼓舞
  • 協働に引きつける
  • 私がどうするかを告げる
  • 考えを売り込む
  • 案内・指導
  • 勇気づけ
  • 達成を認める
  • 援助する
  • 討議する
  • 私は示唆して、決めるのを助ける
  • チームに責任を分ける

※やる気を引き出す教師の技量 一光社

 

マネジャーとリーダーの違い

立場上管理者(マネジャー)である校長・副校長・教頭には、変革の時代にあってもっともっとリーダー的な要素を身につけていかなければならない。

「マネジャー」と「リーダー」の違いについて二人の学者の理論を紹介したい。

理論の第1は、経済学と社会学の博士号を持つウォーレンベニス(南カリフォルニア大学経営管理学部教授)の所説(「リーダーになる」芝山幹朗訳 新潮文庫)である。彼は「リーダーとマネジャーの違いとは、状況を把握した人間と状況に降伏した人間の違いではないかー私はよくこのように考える」と言う極端な表現をしているが、次のように列挙しているのを読むと、説得力がある。

  • マネジャーは管理者であり、リーダーは改革者である。
  • マネジャーはコピーであり、リーダーはオリジナルである。
  • マネジャーは現状を維持し、リーダーは現状を打破する
  • マネジャーはシステムと構造に焦点を合わせ、リーダーは人間に焦点を合わせる。
  • マネジャーは管理に頼り、リーダーは信頼を呼び起こす
  • マネジャーは目先にこだわり、リーダーは長期的な視野を持つ
  • マネジャーが問題にするのは「いつ、どのように」であり、リーダーが問題にするのは「何を、なぜ」である。
  • マネジャーの目は損得勘定に注がれ、リーダーの目は遠い未来に注がれる
  • マネジャーは模倣し、リーダーは創造する。
  • マネジャーは現状を受け入れ、リーダーは現状に挑戦する。
  • マネジャーは古典的なよき兵士であり、リーダーはその人自身である。
  • マネジャーは物事を正しく理解し、リーダーは正しいことを実行に移す。

理論の第2は、ハーバードビジネススクール松下幸之助講座の教授ジョンPコッターの所説(「企業変革力」梅津祐良訳 日経BP社)である。彼は、マネジメント機能とリーダーシップ機能を比較して次のようにまとめている。

 

  • マネジメント

計画立案と予算設計:予定された成果を達成するための詳しいステップと予定表を作り、それらの進行に必要な資源を割り当てていく。

 

組織化と人材配置:計画からの要請を達成していくための組織構造を作る。さらに組織に適切な人材配置を行い、計画遂行の責任と権限を割り付けていく。人材をガイドするためにポリシー、規則を作りまた実行過程をモニターする方法とシステムを作る。

 

コントロールと問題解決:詳しく計画にj対する実績をモニターする。計画からの逸脱を発見して、これらの問題を解決するための計画化、組織化をはかる。

        ⇩

確実性と秩序を築き上げる。また、各種のステークホルダー(利害関係者)の期待する主要な成果をいつの場合にも実現していく能力を示す。(例えば、顧客に対して納期を守る、株主に対して予算内でビジネスを進めるといった例)

 

  • リーダーシップ

方向を設定する:将来に向けてビジョンを作り(かなり遠い将来まで見越した)、これらのビジョンを達成するうえで必要な変革を実現していくための戦略を設定する。

 

人材をある方向に向け整列させる。協力を求めるべき人材に対して、進むべき方向を言語と行動でコミュニケーションしていく。さらにビジョンと戦略をきちんと理解し、かつその妥当性を認めるチームと協力関係を作り上げていくことに努める。

 

モチベーションと意欲高揚:基本的ながら、満たされていない人間のニーズに応えることによって、変革の前に立ちふさがる大きな政治的、官僚主義的、資源上の障害を乗り越えていくよう人材を勇気できていく。

         ⇩

かなり大規模な変革を進める。また極めて望ましい変化を生み出す(例えば、顧客の喜ぶ新製品を開発する。企業の競争力を高めることに役立つような新しい労使関係の方法を導入するといった例)

信頼され尊敬される教師を目指して

以前ある校長先生が新採用の先生に出した授業参観後の手紙

内容を見ると新採用先生だけとは限らず中堅教員にとってもギクリとするようなところがある。

 

信頼され尊敬される教師を目指して

新採用〇〇先生へ

昨日までの1週間みわたる授業公開は、在校生のほぼ1.5倍にのぼる保護者や地域関係者の皆様の来校を得ました。私もこの機会にすべての授業の様子をつぶさに拝見しました。その中で、先生の授業について私が考えて事と保護者などから寄せられた声を率直にお伝えします。これからお話しする内容のいくつかは、すでに先生の耳にも届いていることと思います。

一つは、授業の内容以前に生徒の把握が十分でない。欠席生徒の確認をしていますか。また、遅れて教室に来たA君への指導がされていませんね。

二つには、発問や作業の指示など語句が明瞭でない。生徒に確認されるとそのたびに内容が異なってしまう場面がありましたね。さらに悪いことには、Bさんからそのことを指摘されるとあの授業には関係ないことを持ち出してBさんが悪いかのようなことをおっしゃっていましたね。その後Bさんはどのような気持ちで授業を受けたことでしょう。

三つには、板書が計画的ではないようですね。板書は生徒のノートになります。学習の記録ですね。ただ、単語というか用語を書いただけで生徒は後でそのノートを見て学習を振り返ることができるでしょうか。

今は、三つの具体的な事柄を挙げてご説明いたしましたが、先生は、担当の学年の授業について明示できるような指導計画をお持ちでしょうか。そして、一時間、一時間の授業について指導略案でもお持ちでしょうか。指導計画は頭の中にあります。授業の指導案は「生徒の実態に合わせてその場で組み立てます。」というのでは困ります。先生もご承知のように、授業の時間数はあらかじめ決められています。その中で、学習指導要領に示された教科の目標を達成することが決められています。具体的にどのように組み立てるかは、専門職である先生に委ねられています。

また、授業を成立させる要件は、目標、教材、過程、形態、内容、方法、技術、評価などです。さらにこれらの基礎となるものは、生徒への限りない愛情と教科担任として専門教科の深い知識や見方、考え方を身につけていることであると考えます。このどれが欠けていても授業は成立しないでしょうし、先生として生徒から信頼や尊敬の念は寄せられないと思います。

先生が「授業がなかなかうまくいかない」と話してらっしゃることを教頭から聞いて心配していました。それを一人で悩まないで、同じ教科の先生方に積極的に指導いただいてください。また、先生の授業の一部をティーティーチングするようにも考えています。先生が担当されている生徒により良い授業を行うことができるように、私も最大限の援助をいたします。先生もここでもう一度ご自身の授業を振り返って改善を考え、実践してください。

〇〇〇学校校長より

 

人にはできることと

できないことがある。

できる人をうらやむより

できないことをなげくより

できることを精一杯

できることに感謝しながら